発見と論文

Discoveries and Papers

2017.06.01

PLoS ONE 8(12): e83508, 2013

PLoS ONE 8(12): e83508, 2013

Shamim Hossain, Masataka Ifuku, Sachiko Take, Jun Kawamura, Kiyotaka Miake, Toshihiko Katafuchi Plasmalogens rescue neuronal cell death through an activation of AKT and ERK survival signaling. 

PLoS ONE 8(12): e83508, 2013

要旨

結果/神経細胞由来の細胞株であるNeuro-2A細胞において培養液中の血清濃度を低下させると、ミトコンドリアを介した内因性経路内のキャスペース9、および共通経路のカスペース3が活性化され、Neuro2A細胞のアポトーシスがおこった。ところが培養液中にPlsを加えると、これらのカスペースの活性化が抑制されアポトーシスが有意に減少した。さらに低濃度血清によってAKTおよびERKのリン酸化が抑制され、Plsによってその抑制が消失した。またPlsによるアポトーシス抑制作用は、神経細胞の初代培養系でも同様に見られた。結論:Plsによるアポトーシス抑制作用は、アポトーシス促進蛋白であるBadおよびBim蛋白を抑制するAKTおよびERKの活性化によると考えられる。その分子機構として、AKT/ERKの活性化に関与する種々のチロシンキナーゼやG蛋白を含む細胞膜上のリピッドラフトにおけるPlsの役割が示唆される。