発見と論文

Discoveries and Papers

2018.01.01

これまでの発見と論文[要旨]

2017年までに発表した論文の内容をまとめると

  1. プラズマローゲン(Pls)は老化促進マウスの神経新生を促進することが分かりました。プラズマローゲンを投与する事によって神経細胞が新生するわけですから、アルツハイマー病の治療が可能になると考えられます。
  2. プラズマローゲンはリポポリサッカロイド(LPS)による神経炎症および脳内アミロイドβ(Aβ)タンパクの蓄積を抑制するという事を明らかにしました。
  3. 実際、海馬内へアミロイドβを注入すると学習記憶障害が起こります。すると現実にアルツハイマーラットが出来るわけです。それに対してプラズマローゲンを投与すると学習記憶障害が起こりにくく、且つ神経炎症が起こらない事を証明しました。なお、老化促進マウスの海馬の中の歯状回で神経新生が起こるかどうかは、飼料を口から与え免疫染色法で証明しました。ちなみにプラズマローゲンは口から与えると崩壊するという事が定説になっていましたが、我々の実験では餌で口から与えても赤血球膜にプラズマローゲンが増大するという事を、すでに※別の論文「Lipids in Health and Disease 2012, 11:161」で証明しています。