The Japanese Plasmalogen Society

International Plasmalogen Society(IPLS)のホームページが公開されました

2020年12月、国際プラズマローゲン学会としてInternational Plasmalogen Society(IPLS)が発足されました。
IPLSはあらゆる面でのプラズマローゲン研究への協力、促進のためのフォーラムを提供することを目的としています。

プラズマローゲン研究会第7期定時総会・研究発表講演会を終了しました

2021年2月28日(日)、第7回定時総会議案は、すべて可決承認されました(書面決議)。研究発表講演会はwebにて開催し、多数の皆様にご参加いただき活発な質疑応答がなされました。ご講演頂きました先生方、及びご参加の皆様に心より御礼申し上げます。

“研究発表講演会”2021年2月28日(日)オンライン開催

研究発表講演会を2021年2月28日(日)にオンライン開催します。

[web]SPRINGER NATURE eBOOK

SPRINGER NATURE eBOOKプラズマローゲン(ホタテ由来)とアルツハイマー病への有効性に関する一連の研究の集大成として、SPRINGER NATURE eBOOKに掲載されました。

これまでの発見と論文[要旨]

2017年までに発表した論文の内容をまとめると

  1. プラズマローゲン(Pls)は老化促進マウスの神経新生を促進することが分かりました。プラズマローゲンを投与する事によって神経細胞が新生するわけですから、アルツハイマー病の治療が可能になると考えられます。
  2. プラズマローゲンはリポポリサッカロイド(LPS)による神経炎症および脳内アミロイドβ(Aβ)タンパクの蓄積を抑制するという事を明らかにしました。
  3. 実際、海馬内へアミロイドβを注入すると学習記憶障害が起こります。すると現実にアルツハイマーラットが出来るわけです。それに対してプラズマローゲンを投与すると学習記憶障害が起こりにくく、且つ神経炎症が起こらない事を証明しました。なお、老化促進マウスの海馬の中の歯状回で神経新生が起こるかどうかは、飼料を口から与え免疫染色法で証明しました。ちなみにプラズマローゲンは口から与えると崩壊するという事が定説になっていましたが、我々の実験では餌で口から与えても赤血球膜にプラズマローゲンが増大するという事を、すでに※別の論文「Lipids in Health and Disease 2012, 11:161」で証明しています。

ホタテ由来プラズマローゲンの中等症・重症アルツハイマー病における行動・心理症状への効果

第18回日本機能性食品医用学会総会での発表内容

藤野 稔、若菜智香子、新福尚隆、藤野武彦

目的/プラズマローゲン(Pls)は、sn-1位にビニルエーテル結合を有するグリセロリン脂質の一種である。これまでにアルツハイマー病(AD)患者の脳と血液中においてPls濃度が低下していることが明らかとなり、PlsとADとの密接な関係が示された。我々は最近、AD動物モデルでの研究およびヒト軽度認知障害(MCI)、軽症ADでの無作為化比較試験においてPlsが認知機能を改善することを報告した。さらに、中等症から重症ADに対するオープンラベル試験でPlsの認知機能(中核症状)改善効果を報告したが、今回行動・心理症状(BPSD)への効果を検討したので報告する。

方法/中等症AD48名(MMSE11~19点、男性20名、女性28名、平均年齢78歳)と重症AD16名(MMSE10点以下、男性6名、女性10名、平均年齢75歳)の計64名を対象に、ホタテ由来Pls0.5mg/日もしくは1.0mg/日を3か月間投与し、介護者に対する聞き取り調査によって前後比較を行った。評価対象の症状は、妄想、幻覚、抑うつ、睡眠障害、不安・不穏、徘徊、脱抑制、暴力・暴言・喚声、食行動異常、介護への抵抗、不潔行為の11項目とした。介護者により症状改善の度合いを点数(-2点から4点の幅)で判断してもらい、5段階(-1点以下を悪化、0点を不変、1点をやや改善、2点を改善、3点以上を著明改善)で評価した。

結果/5段階評価のうち、やや改善以上を改善者として評価を行ったところ、有症者における改善率はそれぞれ妄想48%、幻覚78%、抑うつ58%、睡眠障害34%、不安・不穏28%、徘徊50%、脱抑制18%、暴力・暴言・喚声72%、食行動異常25%、介護への抵抗50%、不潔行為100%であった。症状の悪化率は脱抑制9%、食行動異常8%、介護への抵抗8%であったが、他の症状では悪化は認めなかった。

結論/これらの結果から、ホタテ由来Plsの経口投与により中等症および重症AD患者のBPSDを改善することが示唆された。

Front Cell Dev Biol. 2020 Sep 11;8:855

Front Cell Dev Biol. 2020 Sep 11;8:855

Distinct Functions of Acyl/Alkyl Dihydroxyacetonephosphate Reductase in Peroxisomes and Endoplasmic Reticulum

本庄雅則、田中恵美、ラファエル・ゾエラー、藤木幸夫

■要旨

 プラズマローゲンは、グリセロール骨格のsn-1位にビニルエーテル結合を有するリン脂質である。7つのステップを経て生合成されるプラズマローゲンは、まず細胞小器官ペルオキシソームでその生合成が開始され、4番目以降のステップは小胞体においてなされる。このプラズマローゲン生合成の3番目のステップを担う酵素であるアシル/アルキル-ジヒドロキシアセトンリン酸還元酵素(acyl/alkyl-dihydroxyacetonephosphate reductase; ADHAPR)の活性は、ペルオキシソームと小胞体に見出されている。今回、私たちはADHAPRをコードする遺伝子を同定し、ADHAPRの細胞内局在化機構と活性発現機構を明らかにした。

 まず、野生型細胞のADHAPRの発現抑制は、プラズマローゲンとホスファチジルエタノールアミン(PE)の生合成を低下させ、ADHAPR活性を欠損するADHAPR変異細胞(FAA.K1B)と同様の表現型を示すことを見出した。次いで、この変異細胞FAA.K1BのADHAPRをコードするゲノム領域にミスセンス変異を同定した。さらにADHAPRタンパク質は、ペルオキシソームと小胞体に局在することを明らかにした。これらの結果から、ADHAPRがプラズマローゲン生合成の3番目のステップを担うタンパク質であると結論した。

次に、ADHAPRは、アミノ末端(N末端)の疎水性領域を介して膜に挿入されるI型膜タンパク質としてペルオキシソームと小胞体に局在することを示した。加えて、ADHAPRは、ペルオキシソーム膜タンパク質の細胞質受容体であるPex19依存的にペルオキシソームへと標的化し、小胞体へはシグナル認識粒子(SRP)依存的に挿入されることを見出した。

ADHAPR膜貫通部の上流の親水性領域のみを欠損させた変異ADHAPRは、ペルオキシソームへの局在性が著しく低下し、小胞体へ優先的に局在化した。この変異ADHAPRはFAA.K1Bのプラズマローゲン合成抑制を回復した。一方、全長ADHAPRの発現は、プラズマローゲンの生合成を抑制し、PEの合成を促進した。これらの結果は、小胞体に局在するADHAPRがプラズマローゲン合成の3番目のステップを触媒することを示唆している。

Parkinson’s Disease 2020: 2671070, 2020

Parkinson’s Disease 2020: 2671070, 2020

Improvement of Blood Plasmalogens and Clinical Symptoms in Parkinson’s Disease by Oral Administration of Ether Phospholipids: A Preliminary Report

馬渡志郎、大原信司、谷脇予志秀、坪井義夫、丸山徹、藤野武彦

要旨

 パーキンソン病はアルツハイマー病に次いで2番目に多い脳の変性疾患である。世界的に高齢化社会に向かう中、パーキンソン病の患者数は今後、急速に増加していくことが予想される。パーキンソン病の主要症状である静止時振戦、運動緩慢、筋固縮、姿勢保持障害などの運動障害に対しては、L-DOPAなどの脳におけるドーパミン欠乏を補う薬剤が使用され、顕著な効果が認められるが、これらの薬剤も長期使用するとジスキネジーなどの薬剤性副作用が起こってくる。
 パーキンソン病には上記の運動障害に加えて、便秘などの自律神経症状、認知症、うつ病などの非運動症状も高頻度に認められる。これらの非運動症状は患者の日常生活に多分に悪影響をもたらすが、L-DOPAは非運動症状に対して効果がなく、有効な薬剤は存在しない。
 本研究では、パーキンソン病患者の抹消血液でプラズマローゲンの値が減少していたことから、ホタテ由来プラズマローゲンを、1mg/日の量で24週間経口投与を行った。その結果、血清および赤血球膜のプラズマローゲンが有意に増加し、いくつかの非運動症状も有意に改善するという効果が認められた。

研究会総会・研究発表・交流会延期のお知らせ

2020年2月29日土曜日に予定しておりました第6期定時総会及び研究発表、交流会は政府専門家会議の見解に沿い、延期いたします。
関係各位にはたいへんご迷惑をおかけいたしますが何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

Scientific Reports 10: 427, 2020

Scientific Reports 10: 427, 2020

Identification of plasmalogens in Bifidobacterium longum, but not in Bifidobacterium animalis

馬渡志郎、貴家康尋、森﨑智美、大久保美伽、江村貴子、藤野武彦

要旨

プラズマローゲンはグリセロリン脂質の一つでグリセロール骨格のsn-1位にヴィニルエーテル結合を持っているリン脂質である。プラズマローゲンは哺乳類(ヒト)の細胞で多くの重要な機能をしていることが知られている。他方、ヒトの腸内細菌はヒトの健康に多くの有用な働きをしていることも知られている。腸内細菌の中でクロストリジウム菌にプラズマローゲンが存在していることはよく知られているが、クロストリジウム菌は一般に善玉菌とはみなされていない。しかし、ヒトにおいて最も重要な善玉菌と考えられているビフィズス菌にプラズマローゲンが存在していることは知られていなかった。私共はビフィズス菌の中でも、最も重要と考えられているビフィズス菌 Bifidobacterium longum種にプラズマローゲンが存在していることを認めた。Bifidobacterium longum種のプラズマローゲンの主要なリン脂質はカルジオリピン(cardiolipin)、ホスファチジルグリセロール(phosphatidylglycerol)およびホスファチジン酸(phosphatidic acid)であった。これらのリン脂質はヒトの細胞(脳)の主要なリン脂質とは異なるが、報告されている多くの「腸内細菌 – 腸 – 脳」軸の機能と、報告されているプラズマローゲン自体の機能とは多くの面で重複していることは、興味深いことである。従って、善玉菌であるビフィズス菌のプラズマローゲンも「腸内細菌―腸―脳」軸に重要な作用をしている可能性が考えられる。

FAOPS2019 においてランチョンセミナーを開催しました

2019 年3月30日(土)、第9回アジア・オセアニア生理学会連合会2019年大会、第96回日本生理学会大会メインホールにおいて、”プラズマローゲン(エ―テルリン脂質)は認知症治療を変革するーその基礎と臨床ー”ランチョンセミナーを開催しました。
生理学研究所副所長 鍋倉淳一先生を議長にお迎えし、当会副理事(臨床研究部代表)藤野武彦と理事 Md.Shamim Hossainが登壇しました。

プラズマローゲン研究会第5期定時総会を終了しました

2019年2月24日(日)に「プラズマローゲン研究会第5期定時総会」をホテルオークラ福岡(福岡市博多区)にて開会、終了しました。
総会後は、8名の研究者によるプラズマローゲンに関する研究発表ならびに交流会を催し、たくさんの会員、関係者にご参加いただきました。有難うございました。

Journal of Alzheimer’s Disease & Parkinsonism 9: 474, 2019

Journal of Alzheimer’s Disease & Parkinsonism 9: 474, 2019Effects of Plasmalogen on Patients with Moderate-to-Severe Alzheimer’s Disease and Blood Plasmalogen Changes: A Multi-Center, Open-Label Study

藤野武彦、山田達夫、馬渡志郎、新福尚隆、坪井義夫、若菜智香子、古野純典

論文の要旨

目的/プラズマローゲン(Pls)は、sn-1位にビニルエーテル結合を有するグリセロリン脂質の一種である。最近、アルツハイマー病(AD)患者の脳と血中においてPls濃度が低下していることから、PlsとADとの密接な関係が明らかになった。我々はすでにAD動物モデルでの研究およびヒト軽度認知障害(MCI)、軽度ADでの無作為化比較試験でPlsが認知機能を改善することを報告した。本研究は中等度から重度ADに対するPlsの認知機能改善効果をオープンラベル試験で検討した。
方法/60〜85歳の日本人でミニメンタルステート検査(MMSE)の結果が19点以下の患者を対象とし、ホタテ由来Pls1.0mg/日か0.5mg/日のいずれかを割当て、12週間投与した。主要評価項目はMMSE、副次評価項目はホスファチジルエタノールアミンPls(PlsPE)の血中濃度とした。
結果/組入れた157名のうち142名が試験を完了した。12週投与後にMMSEが統計的に有意に改善し、投与量による差は認められなかった。赤血球膜PlsPEおよび血漿PlsPEに関しては、ベースライン時には健常者と比べて著しく低かったが、投与後には対象者全員が有意に上昇した。投与量による差は赤血球膜PlsPEでは見られなかったが、血漿PlsPEでは1.0mg投与群よりも0.5mg投与群において、より顕著な上昇を示した(P=0.001)。赤血球膜PlsPEの変化量はMMSEの変化量とやや相関が見られた(Pearson’s r=0.20, P=0.01)。一方、血漿PlsPEの変化量に関して相関関係はなかった。
結論/これらの結果は、ホタテ由来Plsの経口投与により中等度から重度 AD患者の認知機能を改善すること、またPls血中濃度の測定がAD重症度と治療経過の評価に有益であることを示唆する。

Neuroscience 397: 18–30, 2019

Neuroscience 397: 18–30, 2019
PUFA-Plasmalogens Attenuate the LPS-Induced Nitric Oxide Production by Inhibiting the NF-kB, p38 MAPK and JNK Pathways in Microglial Cells 
Mohammed Youssef, Ahmed Ibrahim, Koichi Akashi, Md Shamim Hossain

論文の要旨

特殊なリン脂質であるプラズマローゲン(Pls)は、アルツハイマー病などの神経変性疾患の脳内で減少していることが報告されているが、それらの疾患ではグリア活性化の顕著な増加をしばしば伴うことが知られている。我々は以前、脳内Plsの減少によりマウスの脳におけるグリア活性化が増進することを見出した。しかし、グリア活性化の抑制に関するPlsの詳細な役割はほとんど分かっていない。本論文では、ホタテから抽出したPls(sPls)が、LPS(リポ多糖)によって活性化されたミクログリア細胞における誘導型の一酸化窒素合成酵素(NOS2)および一酸化炭素の生成を有意に阻害することを明らかにした。また、多価不飽和脂肪酸( ドコサヘキサエン酸:DHA)含有PlsはNOS2誘導を軽減するが、一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)含有Plsでは見られなかった。sPlsは、核因子NF-kBおよびJNKやp38MAPKなどのマイトジェン活性タンパク質キナーゼ(MAPK)の活性化を阻害し、それにより、NF-kBサブユニットであるp65およびアクチベータータンパク質(AP)-1(c-Fos、c-Jun)の核移行を軽減させた。興味深いことに、ミクログリア細胞においてLPS処理はp38MAPKおよびJNK経路を介し、Pls合成酵素であるグリセリンホスフェートO-アシルトランスフェラーゼ(GNPAT)およびアルキルグリセリンホスフェートシンターゼ(AGPS)の発現を抑制した。さらに、sh-RNAによるGNPATおよびAGPS遺伝子のノックダウンは、LPS誘発性p38MAPKおよびJNKの活性化を促進し、一酸化窒素の生成が増加するに至った。これらの結果から、脳内Plsの減少がNF-kB、p38MAPKおよびJNK経路を活性化し、神経変性疾患の脳内の神経保護機能を低下させる長期のミクログリア細胞活性化を誘発することが示唆される。 

Biochem Biophys Res Commun. 503(2): 837-842, 2018

Biochem Biophys Res Commun. 503(2): 837-842, 2018
Scallop-derived plasmalogens attenuate the activation of PKCδ associated with the brain inflammation  
Sanyu Sejimo, Md Shamim Hossain, Koichi Akashi

論文の要旨

プロテインキナーゼCδ(PKCδ)の活性化は神経炎症に関係しているが、アルツハイマー病を含む様々な神経変性疾患との関係はほとんど知られていない。また、グリセロリン脂質の一種であるエタノラミン型プラズマローゲン(Pls)の量がアルツハイマー病患者の脳で減少していることが発見されている。我々は、これまでプPls が神経保護機能や抗炎症作用を持っていることを明らかにしてきたが、本研究では、神経炎症モデルマウスとアルツハイマー病モデルマウスのミクログリアで増加しているPKCδの発現を、Plsが抑制することを明らかにした。また、アルツハイマー病患者の死体脳でもPKCδの発現が上昇していることを発見した。そして、PKCδの発現制御に関わるp38MAPKとJNKタンパクのミクログリア細胞における発現を、ホタテ由来Plsが抑制することを明らかにした。ミクログリア細胞におけるPKCδをレンチウィルス性sh-RNAでノックダウンすると、LPSによって誘導されるp65(NF-kB)の活性化や炎症性サイトカインの発現が減少することが示された。この結果からPKCδは炎症反応を引き起こすことが考えられる。以上より、マウスの脳内で神経炎症に伴い生じているPKCδの発現増加をホタテ由来Plsが抑制することが明らかになった。 

Mol Neurobiol. Aug 20, doi: 10.1007/s12035-018-1307-2, 2018 

Mol Neurobiol. Aug 20, doi: 10.1007/s12035-018-1307-2, 2018
Plasmalogens Inhibit Endocytosis of Toll-like Receptor 4 to Attenuate the Inflammatory Signal in Microglial Cells 
Fatma Ali, Md. Shamim Hossain, Sanyu Sejimo, Koichi Akashi

論文の要旨

ミクログリア細胞の活性化は多くの神 経変性疾患の病理学的特徴であるが、これらの疾患における細胞脂質の役割はほとんど知られていない。特殊なエーテルリン脂質であるプラズマローゲン(Pls)は、アルツハイマー病(AD)患者の脳および血液において減少することが知られている。近年、ホタテ貝由来のPls(sPls)の経口摂取による軽度AD患者の認知機能の改善が報告されたため、我々はミクログリア細胞活性化におけるsPlsの役割を検証するに至った。我々は、リポ多糖(LPS)誘発性ミクログリア活性化モデルを使用し、sPlsがLPSによるTLR4エンドサイトーシスと下流のカスパーゼ活性化とを阻害することを見出した。そして、特異的な阻害剤を使用することによって、TLR4エンドサイトーシスおよびカスパーゼ活性化が、炎症性サイトカイン発現を強く制御することを確認した。さらに、Pls合成酵素であるGNPAT(グリセロリン酸O-アシルトランスフェラーゼ)をsh-RNAによりノックダウンして細胞内のPlsを減少させると、TLR4のエンドサイトーシスおよびカスパーゼ-3の活性化が促進され、炎症性サイトカイン発現の増強をもたらした。我々は、TLR4エンドサイトーシスが、老齢マウスおよびADモデルマウスの脳の皮質において顕著に高かったことも初めて報告し、これはPlsの加齢による減少とミクログリア細胞の活性化との間の有意な相関を示唆している。興味深いことに、ADモデルマウスにおいて、sPlsの飲用によりTLR4エンドサイトーシスが有意に減少した。我々の累積データは、細胞内のPlsがTLR4のエンドサイトーシスを制御することによってミクログリア細胞の活性化を減弱させることを示し、これが軽度AD患者におけるsPlsによる認知機能改善効果のメカニズムとなりうる可能性を示唆している。 

Biochem Biophys Res Commun. 496(4): 1033-1039, 2018

Biochem Biophys Res Commun. 496(4): 1033-1039, 2018 
Oral ingestion of plasmalogens can attenuate the LPS-induced memory loss and microglial activation 
Md. Shamim Hossain, Ayako Tajima, Satoshi Kotoura, Toshihiko Katafuchi

論文の要旨

プラズマローゲン(Pls)は、リン脂質の一種であるが、アルツハイマー病(AD)患者の脳および血液で減少していることが報告されているので、Plsを経口摂取すれば疾患の進行を予防できる可能性が示唆される。興味深いことに、Plsを継続的に経口摂取することにより、軽度AD患者の認知機能が改善されることが臨床研究で明らかになった。しかし、Plsの経口摂取が、例えばグリアの活性化およびアミロイドβ(Aβ)タンパク質の蓄積などのAD患者の脳における変化を抑制するかどうかは解明されていない。Plsの経口摂取効果を明らかにするために、我々はグリア活性化とAβ蓄積を示す慢性リポ多糖(LPS)注射モデルマウスを使用した。本研究では、Plsを0.1㎍ / mlおよび10㎍/ mlの用量で3ヶ月間飲用したマウスの脳において、グリア活性化およびAβタンパク質の蓄積が減弱したことを見出した。興味深いことに、LPS注射によりコントロール群マウスの海馬依存性記憶が減少した一方、Pls摂取群マウスは記憶試験においてより良好な結果を示した。このことから、Plsの経口摂取により脳におけるグリア活性化およびAβの蓄積の減少に関連しているLPS性記憶障害が抑制されることを示唆している。したがって、このことはAD患者のPlsの経口摂取もまた、グリア活性化を抑制して認知機能の改善をもたらしている可能性を示唆している。

[新聞]日本経済新聞・西部版

認知症の改善・予防のカギと期待。ホタテからの抽出物「プラズマローゲン」。プラズマローゲン研究会が「臨床医学研究会」を開催

プラズマローゲン研究会は先ごろ、ホタテ由来プラズマローゲンを診療に取り入れている医師らよる研究報告会、「臨床医学研究会」を開催し、各方面の医師、専門家が研究結果を報告した。
同研究会の藤野武彦臨床研究部代表は、「基礎研究の発展に臨床データの蓄積は不可欠。実際に患者さんと接している先生方の研究報告は、統計調査だけでは得られない貴重なものです」と挨拶し、来場や約100名は真剣に聞き入っていた。(抜粋)

新しい健康成分ホタテ由来プラズマローゲンとシニア世代の健康Health Tips for Seniors

脳を健康に保ちシニアライフを いきいきと過ごすために

認知症の原因は「脳疲労」でした

ストレスの積み重ねで「脳疲労」になり、心身に認知症の症状が現れる

「老化による物忘れ」というイメージを持たれやすい認知症。
その根本的な原因は、日常生活の中に普通にあるさまざまなストレスの積み重ねだと考えられています。
家庭や人付き合いの悩み、寝不足、デジタル機器の過度の使用など、誰もが抱えがちなストレスが恒常的に続くと、脳の神経細胞が酸化し、脳は疲労状態に陥ります。
この「脳疲労」の結果、「記憶・感覚・思考・感情・生命維持のための体の調節」といった重要な働きがうまくいかなくなり、心身に認知症の症状が現れるのです。

疲労した脳では 「プラズマローゲン」が減っていた

脳(海馬)におけるプラズマローゲンの減少

脳疲労になると、脳神経細胞に不可欠なリン脂質の一種である「プラズマローゲン」が減ってしまうことがわかっています。
健康な人なら、食事で摂る肉類や魚介類などに含まれるリン脂質や不飽和脂肪酸からプラズマローゲンを合成して回復できますが、疲労した脳ではそれがうまくできません。
脳の健康に大切な成分であるプラズマローゲンが不足した状態になってしまうのです。

Cardiology and Angiology: An International Journal 7(4): 1-11, 2018

Cardiology and Angiology: An International Journal 7(4): 1-11, 2018Plasma and Erythrocyte Membrane Plasmalogens in Patients with Coronary Heart Diseases Undergoing Percutaneous Intervention. Takeshi Arita, Taku Yokoyama, Shohei Moriyama, Kei Irie, Mitsuhiro Fukata, Keita Odashiro, Toru Maruyama, Seira Hazeyama, Shiro Mawatari, Takehiko Fujino, Koichi Akashi.

論文の要旨

目的/プラスマローゲンは生体膜におけるユニークなリン脂質で内因性の抗酸化物質としての役割を持つ。動脈硬化はその発症から進展まで酸化ストレスが関与しているが、動脈硬化とプラスマローゲンとの関係にはいまだ議論が多い。そこで今回、冠動脈形成術を受けた冠動脈疾患患者において、血漿および赤血球膜のリン脂質プロファイルを検討した。
方法/冠動脈疾患患者(30名)と年齢をマッチさせた対照者(38名)で血漿および赤血球膜のリン脂質プロファイルを高速液体クロマトグラフィーと蒸散光散乱法にて定量した。
結果/プラスマローゲンの血漿濃度は対照者より冠動脈疾患患者で有意に低く、赤血球膜のプラスマローゲン量も同様であった。重回帰分析ではプラスマローゲン以外のリン脂質がプラスマローゲンの変動の寄与因子であり、さまざまな臨床背景はプラスマローゲンと関連性を認めなかった。これはプラスマローゲンが内因性の抗酸化物質である点に矛盾しない。
結論/今回の横断研究で血漿および赤血球膜のプラスマローゲンは、冠動脈形成術を受ける程度の冠動脈疾患では低下することが明らかとなった。内因性のプラスマローゲンが酸化ストレスの新たな指標となるか、また外因性のプラスマローゲンが動脈硬化の新規治療となるかは、今後の縦断研究を待つ必要がある。

[書籍]認知症も、がんも、「不治の病」ではない!

認知症も、がんも、「不治の病」ではない!/藤野 武彦 (著)・対談:福井正勝 (その他)

「脳疲労」理論の提唱者であり、ホタテプラズマローゲンによって新たな認知症治療を確立しつつある筆者が、本書では「脳」と「腸」の関係性に注目した最新刊です。

〜認知症が「脳疲労」から起こるという私の仮設が正しければ、「脳疲労」を取ればいずれの病気も改善することが期待されます。本書では、ここ十数年私が温めてきた新しい概念である「腸疲労」も紹介し、「認知症」と「がん」(さらにその他の生活習慣病)のより効果的な治療と予防法をお伝えします。/藤野武彦〜

プラズマローゲンは脳でどんな働きをするの?

脳細胞の身代わりにプラズマローゲンが酸化する

脳細胞はストレスを受けると酸化し、いずれは死滅してしまいますが、それを食い止めるのがプラズマローゲンです。
脳細胞の身代わりになって酸化を引き受けることで、脳細胞を守ります。
ストレスが多ければ多いほど、消費されるプラズマローゲンは増加。
つまり、脳内のプラズマローゲンが少ないと、脳疲労に陥りやすくなるのです。

二重盲検試験のエントリーが5月末で終了

「20歳~75歳未満の脳疲労解消と肥満改善効果を目的とした(Pls)含有食品の臨床試験」二重盲検試験のエントリーは2018年5月末で終了いたしました。たくさんのお問合せ・お申込みありがとうございました。

最新の研究からわかったプラズマローゲン3つの作用

プラズマローゲン臨床医学研究会 プログラムとお申し込み

2018年7月15日(日)に「プラズマローゲン臨床医学研究会」を開催します。
プラズマローゲンを実際の医療現場で活用中の複数のドクターによる発表に加え、藤野武彦理事も登壇します。
プログラムとお申し込みのご案内が出来ましたのでご覧ください。
お申し込みは裏面にご記入の上FAX、またはメールにてお願いいたします。
FAX:03-3288-0116
E-mail:plsrinken2018@bandscorp.jp
チラシの裏面が、プログラムと申込用紙になっています。

1 神経細胞の新生作用

「健康な脳」「疲労して炎症を起こした脳」「老化症状のある脳」。
プラズマローゲンの投与で、そのいずれでも、記憶をつかさどる脳の「海馬」で、神経細胞が新しくできることが確認されています。

2 脳へのダメージ抑制作用

ダメージを受けた脳に明らかな変化が

アルツハイマー病のマウスの脳に炎症を起こすと、アミロイドβ蛋白の蓄積(左画像の緑の部分)が増えてしまいます。
一方、同じように炎症を起こしたマウスにプラズマローゲンを与えると、緑の部分がほとんど見られず(右画像)、蓄積を抑えることがわかります。
アルツハイマー病の原因ともいわれる脳神経細胞にダメージを与える「アミロイドβ蛋白」の蓄積を、プラズマローゲンが抑えることが証明されました。

Practical Laboratory Medicine 10:44–51, 2018

Practical Laboratory Medicine 10:44–51, 2018
Enzymatic measurement of ether phospholipids in human plasma after hydrolysis of plasma with phospholipase A1
Shiro Mawatari, Seira Hazeyama, Tomomi Morisaki, Takehiko Fujino

論文の要旨

ヒト血漿にはエタノラミンエーテルリン脂質(ePE)およびコリンエーテルリン脂質(ePC)が存在している。そのなかで、血漿ePEの大部分はエタノラミンプラズマロゲン(plsPE)である。血漿plsPEはアルツハイマー病や、パーキンソン病、あるいはその他の疾患で正常者より低下していると報告されている。したがって、血漿のePE測定の必要性は今後増加することが予想される。最近は血清のePEの測定には、LC/MS/MSが用いられている。しかし、LC/MS/MSのシステムは高価で、測定にも、またその維持管理にも時間がかかる。私どもは、ヒト血漿のePE,およびePCを、比較的安価で、すでに多くの臨床検査室に備えられているマイクロプレートリーダーを用いて測定が可能な酵素法を開発した。血漿に麹菌由来のホスホリパーゼA1を加えて37℃で1時間作用させると、ヂアシルリン脂質は完全に分解されるが、エーテルリン脂質はそのまま残る。残ったエーテルリン脂質にホスホリパーゼDを作用させると、ePEからはエタノラミンが、ePCからはコリンが産生する。エタノラミンはアミンオキシダーゼで、コリンはコリンオキシダーゼで、それぞれ過酸化水素(H2O2)に変換し、産生した過酸化水素(H2O2)をアンプレクスレッド(amplex red)でレゾルフィン(resorufin)に変換して蛍光光度計で測定する。H2O2の測定は蛍光光度法でなくても、色素法でも可能であり、したがって、分光高度計でも可能である。この方法は、血漿のエーテルリン脂質だけでなく、その他の組織のエーテルリン脂質の測定にも応用できる。

3 学習記憶力の向上作用

モリスの水迷路の実験

プールの水面下1cmに隠れている透明のステージにたどり着く時間を測る、モリスの水迷路の実験。
ホタテ由来プラズマローゲンを6週間与えたマウスが10.43秒でたどり着いたのに対し、与えなかったマウスは30.10秒もかかりました。
このようにホタテ由来プラズマローゲンの有無によるマウスでの学習記憶力比較テストでは「マウスの記憶力が飛躍的に向上した」という結果が出ています。

ホタテ由来プラズマローゲンとは

プラズマローゲンはあらゆる動物の全組織にある成分で、特に脳神経細胞に多く含まれています。

ホタテ由来プラズマローゲンの特徴

なかでも「ホタテ由来プラズマローゲン」は、不飽和脂肪酸の中でも脳の健康ともっとも関わりの深いDHAを豊富に含んでおり、医学的効果が特に高いことがわかりました。
ヒトの脳に多いエタノールアミン型プラズマローゲンが多いこともホタテ由来の特徴です。

特殊抽出した高純度プラズマローゲン

ただし、ホタテ貝をそのままたくさん食べても、プラズマローゲンは体内で効果的に増えません。
特殊抽出した高純度のプラズマローゲンを口から摂ることではじめて血液中のプラズマローゲン濃度が上昇することがわかっています。

ホタテ
不飽和脂肪酸が豊富で理想的
ホヤ トリむね肉
DHA 28.7% 18.3% 8.2%
EPA 26.1% 47.1% 0.0%
エタノールアミン型プラズマローゲンの脂肪酸構成(レオロジー機能食品研究所調べ)

[TV]BS-TBS「健康科学ミステリー!“若返り”医療最前線」

BS-TBS「健康科学ミステリー!“若返り”医療最前線」にて、当研究会で試験中のホタテプラズマローゲンが取り上げられました。
当研究会の藤野・馬渡・片渕理事への取材と、サプリメントとして市販もされているホタテプラズマローゲン配合製品の医療現場での活用状況についても放映されました。

  • ナビゲーター:真矢ミキ
  • 監修・コメンテーター:冨田 勝(慶應義塾大学先端生命科学研究所 所長)

次々と明らかになったホタテ由来プラズマローゲンと認知症~認知症治療に希望の光~

ホタテ由来プラズマローゲン摂取で認められた様々な改善効果

記憶に関する改善

ウェクスラー記憶検査(WMS-R)

国際的に使用されているウェクスラー記憶検査(WMS-R)で、軽度アルツハイマー病(AD)の女性、また77歳以下の男女では、ホタテ由来プラズマローゲン投与群に改善が認められました。※AD:アルツハイマー病。以下同じ。

[被験者募集]「ホタテ・プラズマローゲンの気分の改善効果」について

国立精神・神経医療研究センターと共同研究を開始しました。気分が落ち込みやすい方、ふだんから気分の落ち込みが見られる方を募集しています。

  • 対象/20〜70歳の健康な男性
  • 費用/無料(ご来所ごとに5,000円分の商品カードをお渡しします)

詳しくはこちらをご覧ください。

[講演のご案内]「プラズマローゲンの基礎的事項とその臨床的応用」について

2018年1月26日(金)に東広島市で開催される「2017年 第8回 学際的脂質創生研究部会講演会」で、馬渡博士が「プラズマローゲンの基礎的事項とその臨床的応用」について講演します。

詳しくはこちらをご覧ください。

場所の見当識障害の改善

軽度認知障害(MCI)の方への精神状態短時間検査(MMSE-J)

認知症予備軍とされる軽度認知障害(MCI)。
そのMCIのかたへの精神状態短時間検査(MMSE‐J)では「場所の見当識障害」(自分のいる場所、自宅、通い慣れた場所などが分からなくなるなど)に改善が認められました。

認知機能検査の点数がアップ

中等度AD・重度ADの方の認知機能検査(MMSE)

中等度・重度ADの方の認知機能検査(MMSE)では、ホタテ由来プラズマローゲンを飲みはじめて3ヶ月後、中等度ADでは約5割、重度ADでも約3割に改善が認められました。
ADは症状がどんどん進行していく病なので、「変化なし」の割合が大きいことにも意味があります。

幻覚、抑うつ症状など認知症の周辺症状の改善

認知症の周辺症状(記憶障害以外)も改善

中等度・重度ADの方の認知機能検査(MMSE)のほか、認知症の周辺症状(記憶障害以外)にもホタテ由来プラズマローゲンによる改善が認められました。
幻覚はその症状が早期になくなり、なんと約8割の人が改善されました。
抑うつも約8割、その他周辺症状でも改善が認められています。(摂取期間:3ヶ月)

Effects of Plasmalogen on Patients with Mild Cognitive Impairment: A Randomized, Placebo-Controlled Trial in Japan

軽度認知障害に対するプラズマローゲンの効果:日本における無作為化プラセボ対照試験

藤野武彦1)、山田達夫2)、朝田隆3)、市丸みどり4)坪井義夫5)、若菜智香子6)馬渡志郎7)
1)プラズマローゲン研究会、2)五反田リハビリテーション病院3)メモリークリニックお茶の水4)BOOCSホリスティッククリニック東京5)福岡大学 医学部 神経内科科学6)BOOCSクリニック福岡7)レオロジー機能食品研究所

要旨

目的/アルツハイマー病(AD)患者の脳組織および血液におけるプラズマローゲン(Pls)の減少が報告されている。我々の研究では、まずAD動物モデルに対するPlsの効果を確認し、続いてヒトにPls1mg投与し、その効果を検証した。軽度認知障害(MCI)および軽度ADを対象とする無作為化プラセボ対照試験(RCT)を実施、その有効性を報告した。本研究は、先行RCTで行ったMCI患者のミニメンタルステート検査-日本版(MMSE-J)の結果を項目毎に検討した。
方法/先行RCTの対象者276名(MCIと軽度AD)のうち、MCI患者178名の分析を行い、MMSE-J各項目について24週間の点数変化を検証した。先行RCTは年齢60-85歳、MMSE-J20-27点、高齢者用うつ尺度短縮版-日本版5点以下の276名を対象として実施したものである。同試験では対象者はホタテ由来Pls1mg/日摂取群、プラセボ群のいずれかに無作為に割り付けられた。本試験の主要評価項目は24週間のMMSE-Jの点数変化とした。(登録番号:UMIN000014945)
結果/MMSE-J総得点では、Pls治療群は統計的有意に上昇したが、プラセボ群は有意な改善を示さなかった。しかし群間差は有意ではなかった。MMSE-Jの質問項目の1つである場所の見当識では、Pls治療群で有意な改善が見られ、プラセボ群では見られなかった。その群間差は統計的に有意であった(p=0.003)。時間の見当識では、プラセボ群で終了時に有意な悪化が確認され、Pls治療群では確認されなかったが、その群間差は統計的に有意ではなかった。MMSE-Jの他の項目については、いずれも有意な変化は認められなかった。
結論/これらの結果は、Pls1mgの経口摂取はMCI患者の認知機能、とりわけ場所の見当識を高めることを示唆している。

笑顔、気遣いができるように

「明るい表情」や「気遣い」ができるように

認知症になると無表情になったり、呼びかけに反応しなくなったりすることがあります。
中等度・重度ADの方の9割以上の人にホタテ由来プラズマローゲンによる改善が見られました。
「明るい表情」や「気遣い」ができることは、ADのご本人はもちろん、その家族や介護する方への大きな救いになります。(摂取期間:3ヶ月)

MEMBRANE 42 (6): 242-249, 2017

MEMBRANE 42 (6) 242-249, 2017
Plasma and Erythrocyte Membrane Plasmalogen Diminished in Severe Atherosclerotic Patients Undergoing Endovascular Therapy
Hirotaka Noda, Shohei Moriyama, Kei Irie, Kazumasa Fujita, Taku Yokoyama, Mitsuhiro Fukata, Takeshi Arita, Keita Odashiro, Toru Maruyama, Shiro Mawatari, Takehiko Fujino, Koichi Akashi

論文の要旨

プラスマローゲンは生体膜中に広く存在するリン脂質であり、不飽和度の高い脂肪酸を含むため内因性の抗酸化作用を持つことが予想されるが、酸化ストレスを基盤とする動脈硬化とプラスマローゲンとの関係は臨床的には十分に検討されていない。そこで今回、血管内治療を必要とした重症の動脈硬化症患者20例と同年齢の対照者20例で血漿プラスマローゲン濃度と赤血球膜プラスマローゲン含量をHPLC法により比較定量した。動脈硬化症例ではコリン型とエタノラミン型の血漿中プラスマローゲン濃度が対照者より有意に低下しており、赤血球膜リン脂質の抽出物ではエタノラミン型プラスマローゲンの含量も対照者より有意に低下していた。以上より血漿中および赤血球膜内のプラスマローゲンは重症の動脈硬化症では低下することが明らかとなったが、プラスマローゲンが動脈硬化の重症化の指標となるかは、更なる検討を要する。

ホタテ由来プラズマローゲンの健康効果でさまざまな不調がここまで改善

ホタテ・プラズマローゲンの中等度、重度アルツハイマー病への効果と血中濃度の変化

第36回 日本認知症学会 学術集会での発表内容

市丸みどり1)馬渡志郎2)、新福尚隆3)、安松聖高4)、若菜智香子5)、斉藤和之3)藤野武彦5)
1)BOOCSホリスティッククリニック東京2)レオロジー機能食品研究所3)BOOCSクリニック福岡4)福岡聖恵病院5)プラズマローゲン研究会

目的/我々は軽症アルツハイマー病(AD)を対象としたホタテ由来精製プラズマローゲン(Pls)1.0mg経口投与試験(二重盲検試験)で、記憶機能の改善と血中Pls濃度の有意な上昇が見られたことを報告した。今回、中等度、重度ADを対象にホタテ由来精製Plsを経口投与して、その有効性について検討した。

方法/中等度AD 52名(MMSE11~19点、男性14名、女性38名、平均年齢78.7±5.2歳)と重度AD 16名(MMSE10点以下、男性8名、女性8名、平均年齢78.1±5.9歳)の計68名を対象に、多施設においてPls 0.5㎎/日を3か月間投与する前後比較研究を行った。主要評価項目はMMSE、副次評価項目は、介護者評価、血漿及び赤血球膜エタノールアミン・プラズマローゲン濃度(PlsPE)とした。

結果/

  1. MMSEの変化:中等度ADでは、摂取前15.4±2.6点から摂取後18.0±4.7点へ有意に上昇した(p<0.001)。重度ADでは有意な上昇は見られなかった。
  2. 介護者評価:意欲、感情が中等度ADで53%、重度ADで28%改善した。
  3. 血中PlsPEの変化:血漿PlsPEは中等度AD、重度ADともに有意に上昇した(p<0.001、p<0.01)。赤血球膜PlsPEは中等度ADで有意に上昇した(p<0.01)。

考察/ホタテ由来精製PLsの経口摂取は、軽度ADと同様に、中等度ADでも認知機能改善効果をもたらすことを示唆している。

事例1/80歳代・男性・アルツハイマー型・認知症歴3年

認知機能検査(MMSE)の値が3ヶ月で5点増加

Aさんは、同じことを繰り返す症状が続いていました。
ホタテ由来プラズマローゲンを摂ってからは、老人クラブのボールゲームのほか、知人を食事に誘ったり、畑での野菜作りなど、生活を積極的に楽しむようになりました。

事例2/70歳代・男性・アルツハイマー型・認知症歴1年

認知機能検査(MMSE)の値が3ヶ月で8点増加

Cさんは、身の回りのことに不自由があるうえ怒りっぽくなり、6段だった囲碁が初段にまで落ちていました。
ホタテ由来プラズマローゲンを摂り始めてからは、まず、よく笑うようになり、気遣いを見せる変化がありました。
囲碁の腕前も戻り、ボランティアでデイサービスに碁を教えに行くまでに回復しました。

[web]認知症ねっと

「軽度アルツハイマーの症状が改善」プラズマローゲンとは~藤野武彦医師に聞いた

2017年3月、ホタテから抽出した「プラズマローゲン」という物質を継続的に経口摂取することで、軽度のアルツハイマー型認知症(AD)患者の記憶力などが改善したと、医学雑誌「EBioMedicine」に掲載されました。試験結果を発表したのは、九州大学名誉教授の藤野武彦医師を中心とする研究チーム。プラズマローゲンとはどんな物質で、試験では具体的にどんな結果が出たのでしょうか。藤野医師がプラズマローゲンに着目した経緯を含めて、聞きました。(抜粋)

ホタテ由来プラズマローゲンに期待できるこれからの健康効果

ホームページを全面的にリニューアルしました

このたび、ホームページを全面的にリニューアルしました。
構成・デザインを見直し、スマートフォンやタブレットなどの端末からも見やすくなっています。
今後とも、みなさまに役立つ情報をお届けしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

メタボリック症候群など生活習慣病の予防

私たちの置かれたストレスの多い生活環境と、その結果としての脳疲労により、暴飲暴食や偏った食習慣が引き起こされるとの研究結果が報告されています。
プラズマローゲンの働きによる脳疲労の解消は、脳機能の活性化につながり、正常な味覚や食習慣を取り戻すことができ、生活習慣病の予防につながるという予測がたてられています。

うつ病やストレス性適応障害など心の病気の予防

過剰なストレス下に置かれて脳疲労になり、味覚や食行動が異常な状態が続くと、睡眠がうまくとれなくなります。
すると、心身の疲労回復システムが崩れて、人間関係や仕事にさまざまな支障をきたし、心の病につながってきます。
プラズマローゲンで脳疲労を取り除くことで、不安やうつ症状が改善されるという可能性が期待されています。

20歳~75歳未満の脳疲労解消と肥満改善効果を目的とした(Pls)含有食品の臨床試験

現在募集中の臨床試験の募集対象年齢を「20歳~75歳未満」に変更。
「20歳~75歳未満の脳疲労解消と肥満改善効果を目的とした(Pls)含有食品の臨床試験」としました。

  • 試験期間/2017年7月1日~2018年5月31日

試験内容はこちらをご覧ください。

研究が進む各疾患とプラズマローゲンの関係~幅広い世代の疾患の予防や治療に期待~

健常者を100%とした各疾患患者のプラズマローゲン量の比較

認知症の他、メタボリック症候群、心臓病など他の疾患でも、健常者と比べプラズマローゲン量が減少していることが明らかになりました。
メタボは赤血球のプラズマローゲン濃度が最も低くなっており、プラズマローゲンが認知症、高齢者だけでなく、メタボが気になる30代40代の働き盛りの方にも役立つ可能性を示唆しています。

現在、「脳疲労」が原因とされる、うつ病やメタボリック症候群、さらには発達障害など、様々な疾患とプラズマローゲンとの関係を解明する研究が進められています。
日本人の食生活になじみのあるホタテ由来のプラズマローゲンを補うことで、脳疲労を解消し、青少年からシニア世代まで、幅広い年代の疾患や悩みを改善することが期待されています。

[延長]60歳~75歳の肥満解消を目的とした臨床試験の参加者募集

現在募集中の「60歳~75歳の肥満解消を目的とした(Pls)含有食品の臨床試験」の試験期間延長と募集案内も一部変更しました。

  • 試験期間/2017年6月16日~2018年5月31日

試験内容はこちらをご覧ください。

このページに掲載の内容を、親しみやすくまとめた小冊子をご用意しています。
詳しくはお問い合わせください。

60歳~75歳の肥満解消を目的とした臨床試験の参加者募集

60歳~75歳の肥満解消を目的とした(Pls)含有食品の臨床試験に参加いただける方を募集しています。

  • 試験期間/2017年6月16日~8月31日

試験内容はこちらをご覧ください。

[web]認知症ねっと

認知症を予防できる未来へ。ホタテ由来のプラズマローゲン最新研究成果

高齢化の加速が止まらない現代日本。それにともない認知症患者も増加の一途をたどり、大きな社会問題となっています。そんな中、認知機能の改善が期待されるという画期的な研究報告がなされ、世界的にも注目を浴びている「プラズマローゲン」という成分があることをご存知でしょうか?(抜粋)

[新聞]健康産業新聞

ホタテプラズマローゲンに軽症アルツハイマー改善作用

九州大学名誉教授の藤野武彦氏らの研究チームは先月21日、ホタテ由来プラズマローゲンの経口摂取により、軽度アルツハイマー病(AD)に改善効果があることを確認し、医学雑誌The Lancetの姉妹誌「EBioMedicine」に掲載されたと発表した。(抜粋)

[新聞]九州医事新報

ホタテ由来プラズマローゲンがひらく未来ホタテ由来プラズマローゲンの学習記憶改善効果―二重盲検試験が終了

人や動物の体内にあり、抗酸化やイオン輸送に重要な役割を果たす、リン脂質の一種であるプラズマローゲン(Pls)。
1995年に、アルツハイマー病(AD)患者の死体脳でPlsが減少していることが報告された。さらに、2007年にAD患者の血清Plsの減少が証明されて以降は、Plsを用いたAD治療法と診断に関する開発を、藤野武彦九大名誉教授が率いる研究チームが世界をリードしてきた。
その最新の研究成果について聞いた。(抜粋)

[雑誌]JMS / JAPAN MEDICAL SOCIETY

第1回国際プラズマローゲンシンポジウム

生理活性物質「プラズマローゲン」—基礎から臨床まで—
大村裕(九州大学名誉教授)/馬渡志郎(レオロジー機能食品研究所所長)/マルクスO・W・グリム(ドイツザールランド大学実験神経学認知症予防研究所所長)/片渕俊彦(九州大学大学院医学研究院統合生理学分野准教授)/坪井義夫(福岡大学医学部医学科神経内科学教授)/藤野武彦(九州大学名誉教授・医療法人社団ブックス理事長)

[書籍]認知症はもう不治の病ではない!

認知症はもう不治の病ではない! 脳内プラズマローゲンが神経細胞を新生する/藤野武彦・馬渡志郎・片渕俊彦 共著

プラズマローゲンが認知症治療の未来を変える!
認知症を改善させるとして、メディアで話題沸騰のプラズマローゲン。
その経緯と実証が、ついに書籍化!!
認知症の原因は、脳の疲労だった!?
プラズマローゲンのアルツハイマー型認知症に関する臨床試験で、症状が改善することを世界で初めて証明!!

ストレスが恒常的に続くと、脳の神経細胞が酸化し、 我々の脳は、内なる自分が対立状態となる“脳疲労状態”に陥ります。
その結果、記憶や感覚、思考などに異常を来たし、認知症の症状が出るのです。
脳疲労状態の脳では、リン脂質の一種である「プラズマローゲン」が減っていることがわかりました。

―――「認知症になったら、『何も分からなくなる』なんて嘘なのです。本人はちゃんと分かっています。
分かっていてもうまく表現できず行動に移せないから、苦しむわけです。
ある男性の患者さんはプラズマローゲンを摂取して2ヵ月で、奥様とのコミュニケーションが再開しつつあることに喜びを見出し
『死にたい』という想いを消し去ることができました。ご夫婦ともに、表情に輝きが戻っていました」 ―――藤野武彦
(Amazon 商品の説明 より抜粋)

[雑誌]JMS / JAPAN MEDICAL SOCIETY

巻頭対談「プラズマローゲンで認知症改革」

—脳を健康にする鍵は「脳疲労」の解消にあり—

〜密かに注目を浴びている物質がある。藤野武彦・九州大学名誉教授率いるチームが着手し、大量抽出に成功したプラズマローゲンだ。(抜粋)

[新聞]九州医事新報

「プラズマローゲン」で認知症改善。世界が変わる、やっと変わる。

「脳疲労」という理論を聞いたことがあるだろうか。医療法人社団ブックスの藤野武彦理事長が提唱し、注目されている。
この脳疲労の研究を長年続ける中で「プラズマローゲン」という物質が認知症を改善・予防する効果があることを突き止めた藤野理事長。
500万人ともいわれる認知症の患者を救いたいと奮闘する藤野理事長に話を聞いた。(抜粋)

[TV]TBS「夢の扉+」

TBS系テレビ「夢の扉+」で、当研究会で試験中のプラズマローゲンが取り上げられました。

難題「認知症」に、型破りな手法で挑む!“5人に1人”の危機!?~ある物質の“知られざる力”とは

ドリームメーカー:九州大学名誉教授 内科医/藤野武彦さん

第1回 国際プラズマローゲンシンポジウムのお礼とご報告

11月7~8日に九州大学医学部百年講堂において第1回国際プラズマローゲンシンポジウムを開催したしました。多数の皆様に参加頂き御礼申し上げます。
国内外から多数のプラズマローゲン研究でご活躍の先生方が参加され、活発な討論を行う事が出来ました。
このシンポジウムを機に海外との共同研究もいくつか開始される事も決定いたしましたので、プラズマローゲン研究が今後さらに発展していくものと期待しております。
また、プラズマローゲン研究会で行っておりました「ホタテ由来プラズマローゲンの認知症に対する有効性を確認する為の二重盲検試験、オープン試験」について、ホタテ由来プラズマローゲンがアルツハイマー病に有効な結果が出たことを報告させて頂きました。その内容がNHK、FBSのニュースで報道されました。
御協力いただきました実施医療機関および参加者の皆様にお礼申し上げます。

第1回 国際プラズマローゲンシンポジウム プログラムとお申し込み

2016年11月7日・8日開催の、第1回国際プラズマローゲンシンポジウムの、プログラムとお申し込み(日本語版)のご案内が出来ましたのでご覧ください。※プログラムは現在調整中のため変更になる場合がございます。
お申し込みは裏面にご記入の上FAX、または「一般社団法人プラズマローゲン研究会」へお電話ください。

FAX:092-273-2421

TEL:092-273-2411
両面のチラシ裏面が、プログラムと申込用紙になっています。

第1回 国際プラズマローゲンシンポジウムを開催します。

本シンポジウムでは、国内外の第一線の研究者を演者としてお招きし、プラズマローゲンの分子機能および認知症への臨床応用を中心に、最新の研究成果が発表されます。

  • 特設サイト/The 1st INTERNATIONAL PLASMALOGEN SYMPOSIUM
  • テーマ/
    Bioactive lipids, Plasmalogens:from bench to bedside
    生物活性脂質 プラズマローゲン-基礎から臨床まで-
  • 日時/2016年11月7日(月)〜8日(火)
  • 会場/九州大学医学部 百年講堂 福岡市東区馬出3-1-1
  • 主催/国立大学法人 九州大学、一般社団法人 プラズマローゲン研究会
  • お問い合わせ/
    アンプロデュース株式会社
    福岡市中央区大名1-8-36 TEL092-401-5755
  • E-mail/info@plssympo.com

(二重盲・オープン)両方の試験が無事終了しました。

昨年2015年12月末にオープン試験(軽症以外)のエントリーを終了、2016年4月末に(二重盲・オープン)両方の試験が無事終了しました。
多くの方のご協力ありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

二重盲検試験のエントリーが9月末で終了

二重盲検試験のエントリーは2015年9月末で終了いたしました。たくさんのお問合せ・お申込みありがとうございました。なお、オープン試験(軽症以外)は2015年12月までの予定です。

試験実施医療機関説明会を東京都内で開催します。

試験実施医療機関説明会を5月29日(金)・30日(土)に東京都内で開催します。

試験実施医療機関説明会を福岡市内で開催します。

試験実施医療機関説明会を4月17日(金)・18日(土)・23日(木)に福岡市内で開催します。

2015年2月8日(日)18:30~TV番組【夢の扉+】で放送されました

TBS系テレビ【夢の扉+】で、当研究会で試験中のプラズマローゲンが取り上げられました。
多くの方々より感想、お問い合わせをいただき誠にありがとうございました。

EBioMedicine 17: 199-205, 2017

EBioMedicine 17: 199-205, 2017

Efficacy and Blood Plasmalogen Changes by Oral Administration of Plasmalogen in Patients with Mild Alzheimer’s Disease and Mild Cognitive Impairment: A Multicenter, Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Trial
Takehiko Fujino, Tatsuo Yamada, Takashi Asada, Yoshio Tsuboi, ChikakoWakana, Shiro Mawatari, Suminori Kono

論文の要旨

背景/プラズマローゲン(Pls)がアルツハイマー病(AD)の死体脳および患者血液で減少していることが明らかになってきた。我々の動物実験においてPlsを腹腔内投与すると認知機能が改善することを最近報告した。本研究では、軽度ADと軽度認知障害(MCI)を対象にホタテ由来Plsの経口投与による認知機能改善効果と血中Plsの変化を検討する。

方法/本試験は軽度ADとMCIを対象とした多施設、無作為、二重盲検、プラセボ対照による24週間の研究である。参加者の年齢は60〜85歳で、ミニメンタルステート検査-日本語版(MMSE-J)20~27点、高齢者用うつ尺度短縮版-日本版(GDS-S-J)5点以下の328名を登録し、ホタテ由来Pls 1mg/日摂取群とプラセボ群に無作為に割り付けた。患者、試験担当者とも割付について知らされなかった。主要評価項目はMMSE-J、副次評価項目はウェクスラー記憶検査-改訂版(WMS-R)、GDS-S-J、赤血球膜および血漿のホスファチジル・エタノールアミン・プラズマローゲン(PlsPE)濃度とした。本試験は大学病院医療情報ネットワークにID UMIN000014945として登録されている。

結果/登録された328名のうち276名が試験を終了した(治療群140名、プラセボ群136名)。軽度AD(20≦MMSE-J≦23)とMCI(24≦MMSE-J≦27)を含む治療企図解析(ITT解析)において、主要評価項目、副次評価項目ともに上昇し、治療群とプラセボ群の群間に有意差は見られなかった。また、両群とも重篤な有害事象の報告はなかった。軽度ADでは治療群においてWMS-Rが有意に改善し、両群間で有意に近い差が見られた(p=0.067)。軽度ADのサブグループ解析では、治療群の77歳以下の症例と女性でWMS-Rが有意に改善し、両群間に統計的有意差が見られた(p=0.029、p=0.017)。軽度ADでは、血漿PlsPEがプラセボ群で治療群より有意に低下していた。

考察/ホタテ由来精製Plsの経口投与で、軽度ADの記憶機能が改善することを示唆している。

Lipids, 51(8), 997-1006, 2016

Lipids, 51(8), 997-1006, 2016

Measurement of Ether Phospholipids in Human Plasma with HPLC–ELSD and LC/ESI–MS After Hydrolysis of Plasma with Phospholipase A1
Mawatari, S., Hazeyama, S. & Fujino, T.  Lipids, 51(8), 997-1006, 2016

論文の要旨

背景/ヒトの血漿にもプラズマローゲンは〈エーテルリン脂質〉は存在しているが、ヒト血漿のエーテル脂質は濃度が低いので、最近はタンデムマススペクトロメトリー(LC/MS/MS)が使用されている。しかし、LC/MS/MSは価格が高価で、しかもその維持管理も難しい。

方法/ホスホリパーゼA1(PLA1)を血清に作用させると他のリン脂質は分解されるがエーテルリン脂質とスフィンゴミエリン(SM)はそのまま残る。したがって、エーテルリン脂質はHPLC-ELSDのクロマトグラフィー上で、それぞれ独立したピークとして計測できる。そのうえHPLC-ELSDで使用した試料はそのままLC/ESI-MSでも分析できる。私どもはHPLC-ELSD法、およびLC/ESI-MS法を開発した。

結果/これらの方法でヒト血漿〈42人〉のエーテルリン脂質であるエタノラミンエーテルリン脂質とコリンエーテルリン脂質を測定したが、文献上のヒト血清のプラズマローゲン量とほぼ一致していた。そのうえ、ヒト血清をPLA1処理後さらに塩酸処理したところ、ヒト血漿のエーテルリン脂質にはプラズマローゲンだけではなくアルキル型エーテルリン脂質が存在していることがわかった。

結論/ヒトの血漿中のエーテルリン脂質を、現在では通常の機器であるHPLC-ELSD法での測定法を開発した。

PLoS ONE 11(3): e0150846, 2016

PLoS ONE 11(3): e0150846, 2016

Shamim Hossain, Kurumi Mineno, Toshihiko Katafuchi Neuronal Orphan G-Protein Coupled Receptor Proteins Mediate Plasmalogens-Induced Activation of ERK and Akt Signaling. PLoS ONE11(3):e0150846, 2016

論文の要旨

われわれはプラズマローゲン(Pls)が神経細胞のAktやERK1/2などの蛋白リン酸化酵素の活性を増強することによって神経細胞死を抑制することを報告した(PLoS ONE 2013, 8(12): e83508)が、その機序については不明であった。近年、種々の脂肪酸やグリセロリン脂質がそれぞれに特異的なG蛋白結合型受容体(GPCR)を有することが明らかになってきたが、今回われわれは、Plsによる細胞シグナル伝達機序として、これまでリガンドが不明であるGPCR、いわゆるorphan(孤児)GPCRに注目し、培養神経細胞を用いて実験を行った。まずはじめにPlsによるERKの活性化がG蛋白阻害剤で完全に抑制されたことから、GPCRの関与が明らかになった。次に19種のorphan GPCRについて神経細胞に強く発現している10種のGPCRを選び、その発現をショートヘアピンRNAレンチウイルスでノックダウンした。その結果GPR1、19、21、27、および61のノックダウン細胞でPlsによるERKおよびAktの活性化が抑制された。次にこれらのGPCRを過剰発現させると、PlsによるERKおよびAktのリン酸化が増強した。もっとも興味深いことは、Pls合成酵素のノックダウンによる内因性Plsの低下によってGPCRを介したシグナル伝達の増強が顕著に減少したことであった。このことは、神経細胞自身がPlsをシグナル伝達物質として放出している可能性を示唆している。以上から、Plsによる細胞シグナル伝達機序として特定の5種のGPCRの関与が初めて明らかになった。

PLoS ONE 8(12): e83508, 2013

PLoS ONE 8(12): e83508, 2013

Shamim Hossain, Masataka Ifuku, Sachiko Take, Jun Kawamura, Kiyotaka Miake, Toshihiko Katafuchi Plasmalogens rescue neuronal cell death through an activation of AKT and ERK survival signaling. PLoS ONE 8(12): e83508, 2013

要旨

結果/神経細胞由来の細胞株であるNeuro-2A細胞において培養液中の血清濃度を低下させると、ミトコンドリアを介した内因性経路内のキャスペース9、および共通経路のカスペース3が活性化され、Neuro2A細胞のアポトーシスがおこった。ところが培養液中にPlsを加えると、これらのカスペースの活性化が抑制されアポトーシスが有意に減少した。さらに低濃度血清によってAKTおよびERKのリン酸化が抑制され、Plsによってその抑制が消失した。またPlsによるアポトーシス抑制作用は、神経細胞の初代培養系でも同様に見られた。結論:Plsによるアポトーシス抑制作用は、アポトーシス促進蛋白であるBadおよびBim蛋白を抑制するAKTおよびERKの活性化によると考えられる。その分子機構として、AKT/ERKの活性化に関与する種々のチロシンキナーゼやG蛋白を含む細胞膜上のリピッドラフトにおけるPlsの役割が示唆される。

Journal of Neuroinflammation 2012, 9:197

Journal of Neuroinflammation 2012, 9:197

Masataka Ifuku, Toshihiko Katafuchi, Shiro Mawatari, Mami Noda, Kiyotaka Miake, Masaaki Sugiyama and Takehiko Fujino: Anti-inflammatory / anti-amyloidogenic effects of plasmalogens in lipopolysaccharide-induced neuroinflammation in adult mice. Journal of Neuroinflammation 2012, 9:197

論文の要旨

背景/神経炎症は、アルツハイマー病などの神経変性疾患におけるグリア細胞の活性化を引き起こす。プラズマローゲン(Pls)は細胞膜を構成するグリセロリン脂質であり、膜流動性や、細胞の小胞融合・シグナル伝達などの過程において重要な役割を果たしている。

方法/本研究では、成体マウスの免疫組織化学検査、リアルタイムPCR、および脳中のグリセロリン脂質量の分析を行い、LPS誘導性の全脳性神経炎症に対するPlsの予防効果を調べた。

結果/LPS(250μg/kg)を7日間腹腔内注射した結果、前頭前野と海馬においてIba-1陽性ミクログリア細胞とグリア線維性酸性タンパク質陽性のアストロサイトの数が増加し、同時にIL-1βおよびTNF-α mRNAが強く発現した。さらに、LPS投与群のマウスには、前頭前野と海馬にβアミロイド(Аβ1-16)陽性ニューロンが発現した。ところがLPSを注射した後にPls(20mg/kg、腹腔内注射)を同時投与すると、サイトカイン産生を伴うグリア細胞の活性化とАβタンパク質の蓄積が著しく減弱した。また、前頭前野と海馬におけるPlsの含有量がLPSによって減少したが、Plsの同時投与で、その減少は抑制された。

結論/上記所見から、Plsには抗神経炎症作用とアミロイド生成予防効果があると考えられ、アルツハイマー病の予防または治療へのPlsの応用が示唆される。

Lipids in Health and Disease 2012, 11:161

Lipids in Health and Disease 2012, 11:161

Shiro Mawatari, Toshihiko Katafuchi, Kiyotaka Miake and Takehiko Fujino:Dietary plasmalogen increases erythrocyte membrane plasmalogen in rats. Lipids in Health and Disease 2012, 11:161

論文の要旨

背景:プラズマローゲンの欠乏を原因とする疾患は数多く報告されている。このような疾患に対しプラズマローゲン組織を補充することは、当該疾患の患者には有効と考えられるが、プラズマローゲンの哺乳類への経口投与の効果は未だ報告されていない。

方法/プラズマローゲンは鶏皮から精製した。精製プラズマローゲンの組成は、エタノラミンプラズマローゲン(PlsEtn)が96.4%、コリンプラズマローゲン(PlsCho)が2.4%、スフィンゴミエリン(SM)が0.5%であった。精製プラズマローゲンを0.1%含有する食餌(PlsEtn餌)をラットに与えた。変質していないプラズマローゲンを他のリン脂質から1回のクロマトグラフィーで分離できる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用い、リン脂質の相対組成を測定した。

結果/PlsEtn餌をズッカー糖尿病肥満(ZDF)ラットに4週間与えたところ、コントロール群と比較して、血漿コレステロールおよび血漿リン脂質が減少した。その他、トリアシルグリセロール、ブドウ糖、肝機能および腎機能、アルブミン等、通常の血漿検査の数値、ならびに体重には、違いは見られなかった。PlsEtn餌投与群では、赤血球PlsEtnおよびホスファチジルエタノールアミン(PE)の相対組成は増加したが、ホスファチジルコリンの相対組成は減少した。PlsEtn餌を正常ラットに9週間与えた場合にも血漿コレステロールおよび血漿リン脂質が減少し、それにより赤血球細胞膜中のPlsEtnの相対組成が増加した。その他通常の血漿検査の数値、ならびに体重には違いは見られなかった。

結論/正常ラットおよびZDFラットにPlsEtnを経口投与すると赤血球細胞膜中のPlsEtnの相対組成が増加し、それにより血漿コレステロールおよび血漿リン脂質が減少する。正常ラットにPlsEtn餌を9週間与えた場合でも、その健康状態への悪影響は一見認められない。

Dement Geriatr Cogn Disord Extra 2012(2),298-303

Dement Geriatr Cogn Disord Extra 2012(2),298-303

Shinji Oma , Shiro Mawatari , Kazuyuki Saito , Chikako Wakana , Yoshio Tsuboi , Tatsuo Yamada , Takehiko Fujino.:Changes in Phospholipid Composition of Erythrocyte Membrane in Alzheimer’s Disease. Dement Geriatr Cogn Disord Extra 2012; 2:298-303

論文の要旨

背景/エタノールアミンプラズマローゲン(pl-PE)がアルツハイマー病患者の脳組織および血清中で減少していることを示す報告がいくつかなされている。本研究の目的は、アルツハイマー病患者の赤血球におけるpl-PE等のリン脂質の組成を調べることであった。

方法/変質していないプラズマローゲンとその他のリン脂質を1回のクロマトグラフィーで分離できる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた。

結果/年齢適合対照群の数値と比較すると、スフィンゴミエリンに対するpl-PE、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、およびホスファチジルセリン(PS)の割合が低かった。

結論/赤血球中のリン脂質の割合の変化は、酸化ストレスにより誘発された変化を反映している可能性があり、アルツハイマー病患者の末梢血中に強い酸化ストレスが存在していることを示唆している。

Analytical Biochemistry 370 (2007) 54-59

Analytical Biochemistry 370 (2007) 54-59

Shiro Mawatari, Yumika Okuma, Takehiko Fujino: Separation of intact plasmalogens and all other phospholipids by a single run of high-performance liquid chromatography. Analytical Biochemistry 370 (2007) 54-59

論文の要旨

プラズマローゲンは、グリセロール骨格のsn-1位にビニルエーテル結合を有することで特徴づけられるグリセロリン脂質に特有のサブクラスであり、多くの哺乳類の組織の細胞膜中に高濃度で確認されている。しかし、プラズマローゲンを変質していないリン脂質として分離した例はこれまで報告されていない。本論文では、クロマトグラフィーを1回実行しただけで、変質していないエタノールアミンプラズマローゲン(pl-PEs)とコリンプラズマローゲン(pl-PCs)、および哺乳類の組織中に通常認められるその他リン脂質を分離できる高速液体クロマトグラフィー法について述べている。HPLC用ジオールカラム、および1%酢酸と0.08%トリエチルアミン含有のヘキサン/イソプロパノール/水系の勾配を利用して分離された物質を得た。HPLC法によって、ジアシル類似体からプラズマローゲンを変質する事なく分離することが可能となった。ヒドロペルオキシドを用いたヒト赤血球の過酸化の研究にも応用されている通り、HPLC法によって、pl-PEsは他のジアシル類似体と比較して、2倍近く酸化されやすいことが明らかとなった。

[要旨]プラズマローゲン(Pls)の研究成果

藤野武彦 九州大学名誉教授を座長とした研究チームが行なった臨床試験などの研究成果。

  • プラズマローゲン(Pls)がアルツハイマー型認知症を改善することを世界で初めて証明。
  • プラズマローゲンが細胞新生を起こすことを発見。

これは、プラズマローゲンの驚くべき研究成果です。

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Pls研究の端緒「“脳疲労”理論」

脳指向性自己調整システム

プラズマローゲン(Pls)の研究は、藤野教授が1997年に発表した「“脳疲労”理論」に始まります。

「“脳疲労”理論」は、メタボリック症候群や糖尿病などの生活習慣病、うつ病などの現代病は、さまざまなストレスにより自律神経に異常をきたす、脳疲労が原因ではないかという学説です。
藤野教授はその脳疲労を起こさせない独自の解消法“BOOCS法(脳指向性自己調整システム)”を考案しました。

“BOOCS法”の基本三原則
  • 「たとえ健康に良いことでも、嫌であれば決してしない」
  • 「たとえ健康に悪いことでも、好きでたまらないか止められないことは、とりあえずそのまま続ける。決して禁止しない」
  • 「健康に良くて、しかも自分がとても好きなことを一つでもよいから始める」

この“BOOCS法”を21,626人の日本人労働者を対象に「実践する・しない」の2グループに分け15年間追跡調査。肥満度や中性脂肪が下がり病気の発症を予防できたことがわかりました。

そして15年後では

  • 「BOOCS法により全死亡率が半減」したことが判明しました。

この「“脳疲労”理論」は”アルツハイマー型認知症とプラズマローゲンの関係性”の追求へと発展します。

「脳疲労はメタボリック症候群、うつ病、パーキンソン病などを引き起こすと考えていました。
脳疲労が起こると結果として辿っていくコースの終末の一つがアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症が“脳疲労の流れ”で起こってくると考えればプラズマローゲンはアルツハイマー型認知症に有効だと確信を持ちました」(藤野教授)。

これが後に明らかになる脳細胞を守る“抗酸化作用”です。

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高純度のPlsを大量に抽出する技術を確立

脂質の分類

体内で情報伝達に関わる重要な物質“リン脂質” 。リン脂質が不足すると細胞が正常には働かなくなり、血管にコレステロールが溜まって、動脈硬化や糖尿病を引き起こす原因になります。

このリン脂質の一つがプラズマローゲン(Pls)。プラズマローゲンは哺乳動物の全ての組織に存在し、人体のリン脂質の約18%を占め、脳細胞の根源的な機能をコントロールしていると云われています。

アルツハイマー型認知症患者の脳や血清で、プラズマローゲンが減少していることがわかっています。また、“プラズマローゲンとアルツハイマー型認知症との強い相関関係”も確認されていましたが、以前は、検出の手間や費用がかかることと、大量に抽出する技術がなかったため、その研究は進んでいませんでした。

しかし2007年、馬渡博士がプラズマローゲンを簡単に検出する方法を発見。

「2日がかりだったものが、1時間に短縮された感じでしょうか」(馬渡博士)

そして、92%の高純度プラズマローゲンの大量抽出にも成功。時間とコストも抑えた簡便な抽出が可能となりました。

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Plsの作用とメカニズム

“DHA”と“EPA”を、結合された形で持つホタテ由来プラズマローゲン

プラズマローゲン(Pls)の役割は

  • シグナル伝達物質を細胞に供給するCarrier(キャリア)
  • 自分自身が酸化物質に酸化されて、細胞を守る“抗酸化作用”
  • 炎症性物質の抑制

など脳細胞の機能や発現に深く関わるものであるとわかってきました。

これは藤野教授が1997年に発表した「“脳疲労”理論」のメカニズムそのもののことだと考えられます。

脳組織におけるプラズマローゲンの色々な機能

「脳が働いた瞬間に(酸化して)脳は疲れます。それをプラズマローゲンが身代わりをして(酸化されて)脳を守るのです」(藤野教授)

脳の酸化は脳疲労を引き起こし、さまざまな病気が発症するのです。

また、“ホタテ”のプラズマローゲンは、有益な不飽和脂肪酸“DHA”と“EPA”を、結合された形で持っています。これはホタテ・プラズマローゲンの優位性であり、脳神経細胞の作用活性化を促進・増強するものであると考えられます。

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動物実験結果(Plsの記憶学習の向上作用)

モリスの水迷路実験

アルツハイマー型認知症と強い相関関係を持つプラズマローゲン(Pls)。その関係性を明らかにする動物実験を行いました。

「モリスの水迷路」と呼ばれているもので、マウスをプールで泳がせ、水面下2cmに隠れている透明のステージにたどり着く実験です。その時間が短縮されるかで記憶力を見ます。その結果プラズマローゲンには記憶・学習を向上させる効果があることが証明されました。

そのメカニズムは、脳細胞の表面にある重要な物質が乗っている“リピッド・ラフト”と言われる場所に、プラズマローゲンが多く存在することで、“トラックB”を増やし、そのトラックBを受容体とする、記憶・学習に関係する物質“BDNF(脳由来神経栄養因子)”を導いて、記憶・学習力を活性化しているためと思われます。

アルツハイマー病など神経炎症を起こすと、トラックBが減少し、BDNFの作用発現が著しく低下します。プラズマローゲンは低下した神経細胞の機能を改善・向上させる役割をはたしていると考えられます。

プラズマローゲンを外部から投与した場合のメカニズム

さらに、プラズマローゲンがアルツハイマー型認知症の原因とされる“アミロイドβタンパク質”の蓄積を抑制する作用を持つことを発見しました。

「プラズマローゲンは中枢神経系では、重要な役割を果たしている可能性があります。
アルツハイマー病に限らず、うつ病も脳の神経炎症が起こっている結果であると、わかってきたので、プラズマローゲンは神経炎症系の疾患にも、効果を発揮する可能性があります」(片渕教授)

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アルツハイマー型認知症患者の臨床試験結果

海馬だけでなく、人間らしさや感情をコントロールする前頭前野にも効果

“DHA”と“EPA”を、結合された形で持っている“ホタテ・プラズマローゲン(Pls)”を食品化。人による経口投与の臨床試験を行い、認知機能テスト“MMSE”の変化をみました。

その結果、5割の患者さんで「顕著な改善」がみられ、悪化される患者さんは少なく、残りのほとんどは「現状維持」で、症状の悪化を食い止めたと評価することができます。

また、プラズマローゲンが記憶・学習をつかさどる“海馬”だけでなく、人間らしさや感情をコントロールする“前頭前野”にも短期間で著しい変化が見られています。

アルツハイマー型認知症と診断された88歳の女性は、プラズマローゲンを摂取して1ヶ月で、効果が見られ「本を読むようになった」「片付けをするようになった」とご家族も喜んでおられました。

また、幻視・うつ状態が特徴のレビー小体型認知症の81歳の女性は、プラズマローゲンを摂取して2週間で幻視が消失。研究チームを最も驚かすような改善を見せました。笑顔も出て、「気遣い」も戻ったのです。

「客観的なMMSEとそれ以外の行動評価の2つのどちらかが、全員良くなっています。
物忘れの人たちを元に戻すことは論理的・現実的に可能だということを確信しました」(藤野教授)

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“Plsが神経細胞を新生させる”世界初の発見

海馬歯状回の幼若な神経細胞が新生

世界初の発見。

  • プラズマローゲンは神経細胞を新生させる

炎症刺激で海馬の神経細胞が衰えたマウスに、プラズマローゲンを与えると、神経の新生が起こり正常なマウスに近くなりました。

プラズマローゲンの働き
  • 神経細胞を新生
  • アミロイドβの蓄積を抑制
  • 学習・記憶の向上
  • シナプス・神経細胞を増強

「プラズマローゲンはBDNF(脳由来神経栄養因子)を活性化して細胞新生を起こします。
つまり、壊れた細胞を良くするのではなく、新しいバトンタッチランナーを作ってくれる。
新しい細胞が生まれればアミロイドβで壊れた細胞を改善する必要もない。
細胞新生こそが(プラズマローゲンによる認知症の)新しい治療効果であると考えています」(藤野教授)

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Plsが持つ可能性/メッセージ

「プラズマローゲンの科学的研究は現時点で80点と考えています。80点でも応用することは十分に可能です。あと20点は学問的に興味のあることです。
免疫系や自律神経系、あるいはメタボリック系にどういう経路でつながっていくか?
飛び石的には(その効果を)確信しているが、具体的な“実線”にすること、これが20%。
現在、アルツハイマー型認知症以外にも、臨床研究および基礎研究で多くの研究者と手をつなぎ、具体的“実線”を目指しています」(藤野教授)

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研究会について

プラズマローゲン研究会は、膜成分の一つであるグリセロリン脂質の中でも、特異的な構造および機能をもつプラズマローゲン(Plasmalogen)の生理作用を明らかにする目的で、基礎および臨床研究者によって結成されたコンソーシアムです。

プラズマローゲンの研究は、その高純度抽出技術がレオロジー機能食品研究所(研究会メンバー)により開発されたことから一段と飛躍し、抗神経炎症作用、抗アミロイド作用および抗神経細胞死作用などが明らかになってきております。さらに最近では軽症アルツハイマー病(AD)と軽度認知障害(MCI)の被験者328名を対象に実施した多施設・無作為・二重盲検試験で、ホタテ由来プラズマローゲン経口摂取によって、軽度ADの記憶機能を改善することが示唆されました。現在、パーキンソン病・うつや睡眠に関する臨床試験など、ホタテ由来プラズマローゲンの臨床応用及び作用機序の解明に向け、本研究会によってさらなる研究の発展が、効率よく行われることを期待いたします。

九州大学名誉教授 大村 裕

研究会の目的Purpose

当法人は、プラズマローゲンに関する共同研究を行う事、及びそれを通した「脳疲労」に関する研究を行う事により、アルツハイマー病、うつ病、パーキンソン病、不登校などの行動障害、メタボリック症候群など、心身の障害の治療と予防に貢献する事、及びその成果を社会に還元する学術活動を行う事を目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。

  • 目的に合う共同研究及び研究受託
  • 成果を研究集会及び講演会で年1回以上開催し、一般に公開する。
  • その他、当法人の目的を達成するために必要な事業