発見と論文

Discoveries and Papers

2017.06.04

Dement Geriatr Cogn Disord Extra 2012(2),298-303

Dement Geriatr Cogn Disord Extra 2012(2),298-303

Shinji Oma , Shiro Mawatari , Kazuyuki Saito , Chikako Wakana , Yoshio Tsuboi , Tatsuo Yamada , Takehiko Fujino.:Changes in Phospholipid Composition of Erythrocyte Membrane in Alzheimer's Disease. Dement Geriatr Cogn Disord Extra 2012; 2:298-303

論文の要旨

背景/エタノールアミンプラズマローゲン(pl-PE)がアルツハイマー病患者の脳組織および血清中で減少していることを示す報告がいくつかなされている。本研究の目的は、アルツハイマー病患者の赤血球におけるpl-PE等のリン脂質の組成を調べることであった。

方法/変質していないプラズマローゲンとその他のリン脂質を1回のクロマトグラフィーで分離できる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた。

結果/年齢適合対照群の数値と比較すると、スフィンゴミエリンに対するpl-PE、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、およびホスファチジルセリン(PS)の割合が低かった。

結論/赤血球中のリン脂質の割合の変化は、酸化ストレスにより誘発された変化を反映している可能性があり、アルツハイマー病患者の末梢血中に強い酸化ストレスが存在していることを示唆している。